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ロイ・シャイダー逝く

JAWS」でカナヅチだが勇敢なアミティ市警察署長ブロディを演じたロイ・シャイダーさんが、2月10日に多発性骨髄腫により亡くなられたそうです。

>>米俳優ロイ・シャイダーさん死去、『ジョーズ』で警察署長を演じる 国際ニュース : AFPBB News

ブロディ署長以外では、1977年版「恐怖の報酬」、「ブルーサンダー」、「2010」が印象に残っています。最後に見たのは「裸のランチ」のドクター・ベンウェイ役でした。「ベンウェイ!!」と叫びながらボディスーツを引き裂いて登場するその姿が、その直前までの映画の雰囲気とあまりにもかけ離れていてドン引きしたのを覚えています。

ひで坊に取っては、70年代〜80年代初頭に活躍した渋めの男優ということで、わりかし好きだったんですけどね。

合掌。


300[スリーハンドレッド]

紀元前480年のペルシア戦争におけるテルモピュライの戦いを題材にした、フランク・ミラーのコミックの実写化300[スリーハンドレッド]を観てきました。

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もうひたすら筋肉!血しぶき!怒号!な映画でした。もともとコミックが原作なので、歴史的な事実とかイデオロギー的なものとか期待すると駄目ですね。スパルタ王レオニダスが「自由の為に」と盛んに口にするのがなぁんか今のアメリカの正義の押しつけっぽく感じるのですが、気にしちゃいけません。もう、割れた腹筋と盛り上がった大胸筋と力みなぎる上腕二頭筋に酔いしれましょう。

敵方ペルシア軍は神王クセルクセス筆頭にありえなさ全開。ニンジャ風の不死軍団と言い、「そんなヤツいねーだろ!!」な異形の奴隷兵士とかデカすぎる象さんとか、「アメコミ」というより、「これは『原哲夫』だ!!」と心の中で叫んでしまいましたデスヨ。
是非この路線で大まじめに「花の慶次」を映像化してみてもらいたい(エピソードは佐渡攻めか最上の戦いキボンヌ)なぁ…などと自らのたるんだお腹を眺めながらため息まじりに思ったのでありましたorz。


墨攻

小学館ビッグコミックで1992〜96年に連載されたコミックを、アンディ・ラウ主演で実写化した「墨攻」を観てきました。

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7つの国家が覇を競い合う中国戦国時代。小国・梁は、巷淹中将軍率いる趙軍に攻められ危機的状況にあった。そんな中、墨者の革離は単身梁城に赴く。墨者は「兼愛」と「非攻」を説く思想集団だが、いざ戦闘となれば無償で防衛戦に臨む戦闘プロフェッショナルでもあったのだ。10万の大軍を擁する趙を相手に、革離は梁城を守りきることができるか。

映画ではコミック版第3巻までのエピソードであり、そのコミック版の原作でもある小説版まるまるにあたる梁城攻防戦を描いております。主人公の革離は、小説、コミックとも坊主頭にぼろをまとった異様な風体の人物ですが、映画ではアンディ・ラウだもんだからなんだか格好いい。冒頭の登場シーンはジェダイ・マスターがやってきたのかと思いました。

墨子教団は謎が多く、いったいどんな防衛手段をとったのか歴史的な情報が無い分、映画としては想像力を働かせてオドロキの戦術をみせてもらいたかったのですが、あまりくわしく描かれていないところが残念でした。革離のキャラにしてもしかりで、原作を知らないと優秀な雇われ軍師にしか見えないかも。この辺りは物語の背景をじっくり描ける小説やコミックの方が有利でしたね。

全体的に地味で「HERO」や「LOVERS」のようなハデハデ活劇系が好きな人には物足りないかもしれませんが、小説版・コミック版とあわせて観て、それぞれが描く「革離のジレンマ」を考えてみると良いのかも。

ちなみに、役割的にはよくわからないけど女騎馬隊長役のファン・ビンビンが観月ありさ似でとってもカワユイです。


硫黄島二部作

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父親たちの星条旗 | 硫黄島からの手紙」をダブルヘッダーで観てきました。

両作品ともに、エンドクレジットが流れライトアップされてもまだ場内がとても重く緊張感に包まれたままでした。クリント・イーストウッドの冷徹、非情とも思える演出は安易に「感動」とかに流れず、言葉を失ってしまいます。戦争ものにありがちな高揚することも泣くことも、許さないぞと言っているかのようでした。ものすごく、ハードボイルドです。

「〜星条旗」のほうは主人公の三兵士が帰還後に味わう苦悩を描いており、(凄い描写ではあるが)戦闘シーンを観せる「戦争映画」ではないことが途中から解ってきます。英雄として生還したにも関わらず、プロパガンダの欺瞞に悩み苦渋に耐えきれなかったネイティブアメリカンの兵士は結局破滅してしまいます。残りのふたりの余生も、おそらくは平穏ではなかったと思います。その後の朝鮮戦争、ベトナム、湾岸戦争…という自国の歩みの中、どんな想いで生きて行ったのでしょうか。

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「硫黄島〜」は、二宮くん演じる元パン屋の兵士の目線で時系列に物語が進むので感情移入もしやすかったのですが、こちらでは(おそらく)これまでの日本の戦争映画では出てこなかったであろう二つの台詞が印象的でした。決戦を前に「天皇陛下、万歳!」と唱える渡辺謙の鬼の形相はいったいどういうことなのか、そして手榴弾で自決する擂鉢山守備隊の面々を「靖国であおう」と言ったその直後、カメラはいっさいの感傷を排除して無惨な肉塊として映し出します。

映画としてみたら、両作品ともエンターテイメント性は全くと言っていい程ありません。そして、「エンターテイメント」とは派手な戦闘シーンに高揚することだけではなく、あからさまに描かれた悲劇に乗っかって涙を流すこともまた「エンターテイメント」であったのだと気づかされた二作品でありました。


DEATH NOTE デスノート the Last name

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DEATH NOTE デスノート the Last name」を観てきました。前編は劇場公開時見逃していて、この間テレビでやっていたのを観たら結構良かったので期待してましたが、後編もなかなかの出来でした。2、3突っ込みどころや「??」なところはありますが、さすがは金子修介監督です。うまくまとめたと思います。

主役二人の演技はすばらしく、クライマックスの藤原竜也の鬼気迫る表情は圧巻。そして、対照的な松山ケンイチの静かな、だけど断固とした意思を感じさせる「無表情の表情」も凄かった。

それだけにメインキャスト以外のエキストラの、ステロタイプな演技が興ざめしそうになっちゃった点は残念。

物語自体は「デスノート」というアイテムの可能にすることと制約となることから生み出される知恵比べなんでありますが、それはさておき、人の生き死にを手にするということはそのまま悪魔に魂を売り渡すのと同義ではあるまいか。そこにどのような意義を付け加えたとしても後付けであり、だからこそ月は当初の目的を忘れ狂気の果てに無へと帰した。そして自らの生殺与奪を握られているにも関わらず、それに気づかず礼賛する民衆…という構図は、「死神」というメタファーを持ち出すまでもなく古今東西の独裁者が陥る闇であり、現代においてもいまだ人類はその壁を越えることが出来ていないのである。

…なんて柄にも無いことを、帰り道につらつらと考えてしまったりしたひで坊なのであります。


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